ゴールのサンティアゴから病院直行!まさかのフィナーレとご報告

ご無沙汰しております!坂本このみです。

9月末にスペインから帰国して2ヵ月近く…更新もせず働きもせず、ご連絡を怠った方も多くて申し訳ありません、おかげさまで元気です。

忘れられないほど最高で、思い出したくないくらい最悪…!?

そんな Oh my Camino!の顛末を、遅くなりましたがご報告いたします。はい、いきなりゴールの話です。

すっごい個人的なことなんですけど、まぁ何が起きたのかご覧くださいませ。。。

 

9月26日にゴールであるサンティアゴ・デ・コンポステーラに到着はしたものの、元気いっぱいとはいかず。翌朝、体調不良で急遽帰国したのでした。

 

 

巡礼で体を壊す人は少なくない

巡礼はけっこう過酷なので故障する人がそれなりにいます。夏は倒れそうなくらい暑いし、食事は偏るし。ベッドバグに刺されたり、足にはマメ、捻挫、膝を痛めて歩けない…等々、色んな人を見かけました。

そんな私も、日本を出発する前に足底筋膜炎と整形外科で言われ、薬や湿布をたくさん持参してたことを白状します。でもこれはかなり気を付けたので、無事に持ちこたえてくれました。

じゃぁなに、妊娠?! うーん…違うけど近からず遠からず??下半身の病気です。そう、問題が起きたのはまさかのデリケートゾーン。

よく知ってる人はこの深刻さ分かってくれるんですが…なぜか笑われることもある悲しい病…それは!

まさか・・・

フライトを変更してまで帰国した病気それは、な、なんと肛門周囲膿瘍からの痔瘻(じろう)でした。

「なんな、痔かよ~」

ワハハ~と言う父の電話に「笑えんくらい大変やから帰るんや!!」と憤怒した妙齢の娘です。

この時はまだ痛くてとても笑い話にできなかった…。サンティアゴのドクターに72時間以内に帰国しなさいと言われたほどでした。

痔瘻はよくコマーシャルで目にする痔(切れ痔いぼ痔)と違って市販の薬はありません。根治が難しく痔の王様と呼ばれるそうな。王様て!

▲画像はイメージです。どっちかというと魔王やぞ!

 

ちなみに芸人のイモトアヤコさんが発症したのはイボ痔のようです。種類は違うけどなんか親近感わくやつ…。

 

私の場合、日本にいた4月頃にしこりのようなものに気が付いて、肛門周囲膿瘍と診断されていました。

患部は肛門ではありません。食事や排便に支障もないし、痔だとは思わず最初は婦人科を受診したほどです。

おしりや性器近くなど場所は人によりますが、炎症が広がりこの腫れから膿が出はじめると痔瘻の完成。場合によって発熱も伴い、そして繰り返す厄介な病気です。

でもこの時は軽度でした。悪化しなければ放置で良し!と医者に言われ8月を迎え、小さなしこり(膿瘍)を皮膚の奥に携えたままスペインへ旅立つことになったのです。

荒ぶる王様の姿

ニキビや吹き出物もそうですが、赤く腫れたら触らなくてもすごーく痛いですよね。

その超巨大なやつが、あろうことか私の股間を蝕みました。これで20kmほど歩くんですよ。なんて拷問だ。

おしり周りって脂肪だから皮膚はフニフニしてるもんですが、徐々にそれはカッチカチに腫れあがっていきました。ズキズキ、ジンジン!時々刺すように痛い。

▲スペイン語を調べて必死で書き起こした

 

上記は病院で説明した時のメモです。炎症範囲ヤバイでしょ?「痔だけど…痔じゃないよ。」パートナーの山田さんもそう真面目に言ってましたが、なんか別物です。

ゴールまでは地獄の道のり

悪化しはじめたのはガリシア地方に入るころ、ゴールの10日ほど前からでした。

「なんか痛いし悪化してるかも、でもそこまで痛くない…良くならないかな。」「ここまで来たから最後まで歩きたいしな。」

期待と不安を行ったりきたりして、余裕を失っていきます。そんな病状をちゃんと話せないまま山田さんとも険悪になりました。

▲最初はラブラブだったんですが

 

そしてサリアで友人2人と合流してからいよいよ悪化。信じられるのは薬局で買った抗生物質と鎮痛剤。ホタテ貝とか八咫烏とかもう言ってられない!て言うか、神様がいるなら何でよりによって痔瘻なのか聞きたいわ…!

心配かけたくない、今はまだ人に言うときじゃない、ああとにかく痛い!

「何しに来たんだろう」「もっと楽しい旅になるはずだったのに」


悲しくて辛くて、最後はゴールの喜びより心身ボロボロ。満身創痍。限界を超えて、病院に向かいながら涙が止まらず1日中泣き続けました。

「帰りたい。もう歩きたくない。巡礼証明なんかいらない。」

皮肉なものです。ゴールのこの日、カチカチの皮膚の一部がブヨブヨとして微かに破れ、膿がついに滲み出始めたのです(自壊と呼ばれる状態)。

膿が出たら、途中でもリタイアしようと決めていました。幸か不幸かのゴールでした。

受診と現在の病状

保険会社に紹介された病院はGoogleの口コミ評価が、うわぁと思うくらい最低…!

でも担当の女性スタッフがすごく親身になってくれました。本当にめちゃくちゃ感謝しています。

ドクターの適切な処置によって、私のプリティなお尻からはラード状の膿がピンポン玉ほどひねり出されました…!!!麻酔なしで!!ああそうかなぁそうなるかなあ!とは思ってた!自壊してるからメス使われないだけましかなーああああ分かってたけどうおおおお!!!

▲処方された抗生物質と塗り薬

 

…で、まぁそんなこんなゲッソリ帰還したわけですが、極限の体験のため情緒不安定というと大げさですが「また証明書もらいに行けばいいよ」と言ってくれる山田さんに「もう二度と行きたくない」と首を横に振るくらい心荒んでました。

ゴール後、証明書ももらわず病院に行ったので、デュアルピリグリムの称号もなにももらわなかったんです。

 

でももう落ち着きました。10km程度歩いてみたり、調子こいて乗馬体験してみたり(←おいおい)、最近は百名山の伊吹山にも連れてもらい、人より元気なくらい。

恋人に大いに甘え、色々試しながら元来の健やかさを取り戻しております。

美化することもなく「あーおもしろかったなー!」って、思えるようになりました。

この病気、繰り返す頻度や程度が人によるので様子をみましょう…ということです。

どんな病気も事故もいつ起きるかわからないし、まぁ再発したらそのとき考えよ!と動きだすことにしました。

 

サンティアゴで婚約

あ、あと私ごとで大変恐縮ですが…2020年4月に山田さんと結婚することになりました。てへっ。

 

大聖堂でプロポーズとはいきませんでしたが、受診後の街のホステルで、この先の道も共に歩んでいくことを決めた次第です。

そんなわけで、ちょっと気忙しい感じなのですが、おかしな二人の行く末を温かく見守っていただけますと幸いです。

引き続きよろしくお願いいたします!