高野七口踏破④大失敗!マイナールート有田・龍神道で道迷い

どうしてこんな所を歩いているんだろう、私は熊野古道を歩いていたはずなんだが…

そんな疑問も生まれるくらい、世界遺産・熊野古道とはちょっと毛色の違う、でもちゃんとその一部である有田・龍神道をやりました。ぶっちゃけ超マニアックです。トレッキング用の看板はありますが、有田・龍神道を示すものは何一つありません。

ガイドマップのモデルコースは高野山への「登り」ですが、私は「下り」で慣行しました。結果から述べると大失敗。途中で間違ったルートに進み、予定のコースを完歩できませんでした。

どこでどう道を間違えたのか、この初心者あるあるを検証します。

有田・龍神道(花圃の里~高野山大門/約12.7km 所要5時間)→下山ルート&道迷いのため、実測 15.4km/4時間20分

▲間違っています 参考にしないでね

 

行程の記録

実施日2018.6.28(木)/くもり
■スタート地までのアクセス(前泊 ゲストハウスKokuu
6:30 ゲストハウス出発
6:35 中門前駐車場(壇上伽藍に寄ったがスタンプ営業時間外)
6:45 コンビニでトイレ&朝食・飲料おやつ等購入
7:30 大門 準備運動

今回あえて下山を選んだ理由
・花園からスタートだと移動で疲れる(電車等で2時間)
・暑くなる前の午前にさっさとやりたい
・ルート上に自販機がなく補給が難しい
・車道が多く歴史的魅力が少ないのに登りはつらい
・今回やっておかなければ日帰りはまた大変
・ゴールの花園温泉でさっぱりしたい

7:35 大門 出発

朝一なので入念にストレッチ。もうすぐ7月だというのに大門の温度計は21.2℃。あじさいも田辺・白浜辺りは枯れてきてるのに鮮やかです。高野山は涼しい。

▲あじさいと大門
▲2018.6.28 AM7:30

 

7:37 交通安全地蔵

大門すぐの交通安全地蔵。ここの案内板の地図には、有田・龍神道についてはまったく触れられていません。存在すら消されている…?

▲交通安全地蔵さま
▲有田・龍神道についてはまったく記載なし

 

8:00 分岐(なにかわからない鉄塔)

交通安全地蔵→お助け地蔵 という、ダブルお地蔵めぐりをし10分ほど下ると電波塔?避雷針?よくわかりませんが鉄塔があります。ここで分岐です。行先は「花園」なので標識を見ると左かと思います。でも正解は右。これは自動車用の標識ですね。

というか熊野古道の逆ルートってほとんど経験ありません。地図に記載の矢印を遡るという当たり前のことをすっかり忘れ右往左往してました…。アホですね、でもまだまだ道迷いはこの先です。

▲分岐の看板
▲なんやろう、これ

 

8:20 ヘリポート

アスファルトの車道をてくてく進むとヘリポートがありました。登山アプリだと標高787m、眺めもなかなかです。

▲眺望 昨日がんばって登ったのだとしみじみ
▲ヘリポートがこんなところに

 

8:30 分岐 ここが湯川辻…?

マップには湯川辻と書いてありますが、標識にもどこにもそんな単語ありません。京大阪道でさえちょこちょこ看板があったのに、有田・龍神道はスットコですね。マイナーさを感じながらここは左へ進みます。

▲たぶん湯川辻

 

歴史解説板どころか道しるべもないこの道ですが、なだらかな車道なので季節の花をゆっくり見る余裕がありました。ちなみに道はところどころ崩落しています。

 

9:35 道迷いのはじまり 辻の茶屋交差点の先は…

ここから先は、間違ったルートの記録となります!!!!!!

「高野町」と書いただけの看板があります。ここが辻の茶屋交差点でまちがいないでしょう…たぶん。茶屋があったのだろう…、たぶん。ほんとそんな感じで現場情報は以上です。トイレのある運動健康促進広場もどこかわからなくて、グーグル検索もしましたが一切ヒットしません。

▲辻の茶屋交差点

 

そして少し進むとトレッキングコースの看板が出てきました。

「え、なにトレッキング?」…この分岐が曲者でした。

 

▲【問題画像】 この看板は左を示すし、マップでも看板が右側になるはずなのだが・・・

 

 

 

道迷い検証① マップにない道が登場! は…は…花園トレッキングコースだと!??

これはゴール後にわかったことなのですが、今回歩く有田・龍神道ではない花園町オリジナルのトレッキングコースがこの地には存在しました。超重要情報です。しかも複数あるので、歩く方は以下のトレッキングマップを予め確認することを強くおすすめします!!

 

▲私はいちご姫コースへ入っちゃったのね

■花園トレッキングコース(マップのダウンロード)

まずは以下の画像中央にある「看板●」のあたりに短~く途切れた道がちょこっと、書いてあるのがお分かりいただけますでしょうか…。橙色の道が正しいルート、黒いボールペンの道が実際に私が歩いたルートです。つまり“このマップには存在しないトレッキングコース”へ迷走したのです。ぁぁぁぁあああああああ~。

 

実際歩いた道をボールペンで黒く書き足しています

 

 

道書いとけよ~めっちゃ歩けたわ!と、うらめしくマップに道を追加しながら、はっ!としました。マップは登りのモデルコースで記載しているため、山頂に行くにつれて道は減るのです。山というのは下れば分岐に出会い、登れば合流するもの。トーナメント表のようなものを想像するとわかりやすいでしょう。そのため下りの分岐は書いてなかったのです!(でも中辺路なんかは往復してる人もたくさんいてますから~)

そうです「ほとんどの道迷いは、下りの時に起きる」のです。これ登山の超常識です。

知ってはいましたが… やってみるもんですね(涙)

 

道迷い検証② 看板って…どんな看板やねん!?

マップには「看板●」と書いてあります。で、下りで行くと自分の右手が看板になるはずなんです。関係ないこのトレッキング用の看板を、マップに書いてある「看板●」だと私は誤解しました。そして左だなと思います。右に行くとどんな看板が出てきたのでしょうか。また自力挑戦します。

▲どんな看板!

 

道迷い検証③ 次の林道合流の図に「ハイキング道」の文字?!

そしてその先のルート、林道合流まで読み進めるとハイキング道を登ることになっている…。「つまり有田・龍神道は、今はハイキング道になっているということか…。このトレッキングコースのことやな!」と思ったわけですが、これが両方ともハイキング道だったんですね~。知らんし~(泣)…。

▲ハイキング道を逆にたどると思ったが、正解も間違ったルートもハイキング道~!残念~!

 

9:45 こうして、人は過ちを犯す…

 

▲間違った道はけっこう荒れていた
▲こんなに道いっぱいの苔は見たことがない!

 

そのトレッキングコース(ハイキング道)はなかなかでした。一応整備はされているのですが、歩く人が少ないので道いっぱいに苔が生え、枯れ木とふかふかの腐葉土が重なっています。足元は沈むし、倒木もあるのでまたぎます

 

▲自然林と人工林の狭間を歩く
▲迷ってる感全然しないというトリック

 

とは言え、チェーンなど整備されてる所もあるので、道に迷っていることに気がつきません。時間的にはそろそろ林道合流の分岐が出てくるはずなのですが…。

10:10 林道合流はどこだ?

よく見るとマップの実線は車道で、点線は歩道になっていますが歩いた道と合いません。いよいよ不安になり写真や地図を使って色々思い返しますが、間違ったかどうかも確信がもてません。そしてこの先の道は「急な坂道」「案内看板」「距離表示板」があるそうなのですが、歩き進むとこれが同じような条件なのです…。

10:15 あ、距離表示板や!

登りで歩いた人のブログや記録に、このイラストつきの距離表示板がありました。「ああ良かった~林道合流の分岐はどこかで見落としただけかも!」さらに15分ほど下るとスカイツリーの高さ表示も出てきます。「見た見た、これネットで見たやつや!」(すんごい安心しますが間違ってます)

 

▲どこ基準の距離表示なのか…
▲各コースに設置されてるとは知らず…ぬかよろこび

 

10:35 シースルーな鉄橋

うわぁ橋や!怖いけどおもしろーい!でも当然ですが橋があるなんて書いてません。やっぱり何かちがう…。道なき道なら絶対に進みませんが、トレッキングコースとして歩けるようになっているので、一応どこかに出るはずです。とりあえず先へ進みます。

▲キャーエキサイト!でもおかしい橋なんて書いてない

 

11:05 ここはどこ…?

さぁいよいよ絶望の始まりです!

山道を抜けましたが現在地がわかりません。まごうことなき道迷いの現実と向き合います。グーグルマップでゴールの「花圃(かほ)の里」がずいぶん離れていることに愕然としますが、もうこうなったら車道だろうが歩くしかありません。何しろ本数の少ないコミュニティバスに乗らないといけないのです。

▲ここはどこ!?

 

12:05 花圃の里に到着

約1時間、車道を歩きました。途中で水害の碑や、公衆トイレ、花壇の手入れをする地元の方々、きれいな川沿いの道でしたが、暑さと失意のあまり写真1枚も撮ってません…!!!

予定では下り道だから標準より短時間で歩けるはずだったのに、遠回りになったため距離も時間も伸びています。早歩きで平坦な道をぐんぐん進み、花圃の里が丘の上にあるのを見つけた時にはゲッソリしましたが頑張って這い上がり、なんとか12時にゴール。

さっと温泉に入り、半乾きの頭でトンカツ定食。歩くのは疲れたし大失敗でしたが、温泉と食事は成功です。1時間で風呂&食事をコンプリートして、ロビーにあった花園トレッキングマップをゲット。迷走した原因がわかり、嬉しいやら悲しいやら…。

本日の湯めぐり 花園温泉 花圃の里

レストラン営業:12時~14時(ラストオーダー13時半) 定食やうどん等のメニューがある。
日帰り温泉営業:12時~17時(最終受付16時半)/料金:中学生以上500円、小学生400円/露天風呂:なし

■公式HP 花圃の里

 

▲花圃の里にゴール
▲オープン間もなく新しい

 

▲あえて下りにした目的はランチと温泉やねんからな!
▲トンカツ定食1,100円

 

反省

今回の失敗は、いかに看板や地図がわかりにくかったとはいえ、予習・計画が十分でなかったこと。登山は下りこそ難しいと言われているのに、見立てが甘かったのです。紙の地図、google、登山アプリの国土地理院の地図、全部見比べても使いこなせず間違えました。でもおかしいなと思う瞬間は何度もあったのです。

道迷いと災害は似ているそうで、こういうときに人間は「大丈夫だろう」という楽観の心理がはたらくそうです。冷静な見直しと判断が必要でした。大げさだとしても、山では最悪の場合を想定しないといけないのだと反省しました。

帰りの交通

13:25 花圃の里出発(かつらぎ町コミュニティバス)@150
14:20/14:37 笠田駅@240
14:58/15:01 橋本駅(JR→南海)@830
15:38/15:46 極楽橋
15:51/15:56 高野山駅(電車→バス)@290
16:06頃 千手院前
16:30頃 中門駐車場(壇上伽藍でスタンプやっと押す)
18:30頃 白浜(自宅)

 

かった費用 約3,910円+ガソリン代

・交通 1,510円+ガソリン
・飲食 約1,900円(朝食&飲料800円+昼食1100円)
・温泉 500円