熊野古道の荷物搬送サービスをどこに頼めばいいかわかりません とお問い合わせをいただきました。
実際は中辺路ルートにはたくさん業者さんがあるのですが、小規模な事業者さんが多いのでネット検索ではあまり見つかりません。
予約の流れや注意事項、そして荷物搬送を使わない場合のヒントもまとめました。
荷物搬送サービスとは
日帰り登山のようにデイバッグ1つではなく、時には宿泊をともなって重い荷物を背負って歩くのが熊野古道。
巡礼の道なので登山をやらない人も歩くのが特徴です。
体力にあまり自信がない、登山をやったことがない…そんな人におすすめなのが荷物搬送サービス。
翌日ではなく当日中に配送してくれるので、とっても便利です。
料金はどれくらい?
搬送料金は、区間・個数などにより異なります。紀伊田辺~高原エリアの相場が5,000円前後のようです。
グループで荷物が多いと割安になる場合もありますが、業者により料金が異なりますので問い合わせてみましょう。
1人旅であれば高く感じるかもしれません。でもサービスを使うか使わないかは雲泥の差です。どれくらい自分が歩けるか、よく考えてご計画ください。
もし荷物搬送を使わないなら、どれくらいの重さが理想?
実際に担げる荷物の重さは個人差がありますが、同じ世界遺産のスペイン巡礼では快適に担ぎ歩けるのは体重の1/5が目安と言われます。熊野古道は山道ですのでさらに軽くすることがおススメです。
難行苦行と呼ばれた熊野古道、修行のように自分を追い込んで歩くも良し。
けれど自然が相手ですから甘さや過信は禁物です。山の天気は変わりやすく、晴れの日ばかりではありません。
ご自身の体力に合わせて荷物の量をコントロールしたり上手に荷物搬送を利用ください。
荷物搬送を使わないなら…同じ宿で連泊もおすすめ
中辺路踏破で同じ宿に連泊となると、せっかく歩いたのにバスで1泊目の宿に戻らなければなりません。そして翌朝また昨日のゴール地点に戻ってからスタートです。
すごろくだと『振出しに戻る』ようなこの動き、時間もバス代もかかり、一見すると無駄が多いようですが荷物をそのまま置いておけるのがメリットです。
ハイシーズンの熊野古道は、宿泊予約が取れないこともあります。ゲストハウスも増えていますが、山間部なので供給が追い付いていないのが現状。
ですが、荷物については連泊予約ができるなら便利です。市街地でしか予約が取れない場合でもぜひ一考ください。
荷物搬送サービスの使い方と注意事項
事前予約が必須
当日中の配送ですから、前もって予約をしておかないと集荷が間に合わないことがあります。
最新の天気予報を見てから…というのも重要ですが、前日夜の電話だとすぐ出てもらえないということも。
なるべく早めに計画しておきましょう。
荷物の集荷(パターン1 宿に預ける)
予め宿には、搬送荷物と代金を預かってくれるか確認しましょう。チェックアウトの時間によっては、スタッフが少なかったり大勢の宿泊客で混み合うこともあります。
また搬送荷物には貴重品は入れられませんので、手荷物として管理することとなります。
荷物の集荷(パターン2 業者に直接渡す)
当日のスタート地点に集荷に来てくれることもあります。例えば1泊目を紀伊田辺駅にした場合、スタートの滝尻王子まではバス移動が一般的です。その滝尻王子バス停で待ち合わせをし、直接荷物を預け代金を払うパターンです。
この場合、乗車予定のバス時間をあらかじめ決めておくことが必要です。
注意事項!トラブルを防ぐために
きちんと手配をしておかなければ不明な荷物は受取拒否、誤配送されてしまうかも…。そうならないように以下の点に注意しましょう。
★受取り施設へ、事前に伝えておく
ホテル・旅館であれば24時間スタッフが当たり前ですが、民宿やゲストハウスはちがいます。スムーズな受取のために予め荷物を送ることを連絡しておきましょう。
一棟貸しの民泊などで無人チェックイン、チェックアウトの場合はどのように対応してもらえるか早めに確認が必要です。
★宿泊日、宿泊予約名がわかるように
宿泊予約名はAさんであるのに、同行者Bさんが連絡もなしに荷物を送ってしまうと…受取施設は大混乱。事前に連絡するのはもちろん、きちんと確認して宿泊日と予約代表者名を伝えましょう。
荷物に名前、電話番号を書いておくのがおススメです。
中辺路の荷物搬送サービス業者 4社
中辺路ルートで活躍されている業者を紹介します。
荷物の個数や、配送区間で料金は異なりますので、お問い合わせください。
古道の杜あんちゃん
民宿・商店ですが荷物搬送も行っている。
熊野古道のスタート地点『滝尻王子』にあり早朝から営業。バス停すぐなので、連泊の場合も中辺路ルート上でおすすめ。
YAMAシャトルサービス
荷物搬送サービスの先駆け業者。代表の山ノ内さんは熊野古道中辺路のガイドなので道のこともとても詳しい。
価格は良心的です、とのことです。(竹杖の制作販売なんかもされてます。先日は作り方教えてもらいました。)
今日は語り部さんに誘ってもらって、竹杖作り! pic.twitter.com/sIN1Ms6ej8
— 熊野ログ|スペイン巡礼から帰国 (@kumanolog) November 26, 2019
飛脚まるお
インパクトのあるネーミング、飛脚まるおさんの『まるお』はお名前ではなく苗字『大野』さんの『お』。移住者も多くなる熊野古道の山間部ですが、中辺路町近露で先祖代々暮らしてきた地元の方です。
とりいの店
サンティアゴ巡礼道も歩いている店主の鳥居さんは、熊野本宮館の元館長。お店は『熊野本宮大社』のすぐそばと便利な場所にあり、熊野古道のグッズ等お土産物も扱っています。
荷物の一時預けサービスも行っているので参拝や観光中にもおすすめです。また料金表がホームページで確認でき大変わかりやすいです。
少ない荷物で快適な熊野古道を
上記は私の顔見知りの一部の業者ですが、荷物搬送の需要が大きくなって業者も少しずつ増えています。
民宿や飲食店などもそうですが、熊野古道は小規模の個人事業者がほとんど。
急なお休みがあったり、電話がつながりにくかったり、田舎の方言が横柄に聞こえることもあったりと都会のサービスのようにはいきません。
それでも地域で、顔の見える商売をされてる方ばかりです。安心してご利用いただけますよ。
荷物どうしようかな…と悩んだら、一度背負ってご自宅周辺を歩かれることをおすすめします。
かしこく利用して、無理のない熊野古道を楽しんでくださいね!