初心者が陥りがちな失敗
あなたがもし「トレイルランニングにはまっている」とか、「風になりたい」とか、「前世が飛脚」って言うのなら、この記事は今すぐに閉じてもらってけっこうです。
…が、そうでない方はぜひ熊野古道を計画する時、いつも年頭においてほしいのです。
熊野古道でやってはいけないこと、それは時間をかけないことです。
「なんだそんなことか」と思うかもしれません。「日没でしょ?転倒対策でしょ?」と。
もちろんそれもありますが、熊野古道ならではの楽しみ方や長く続けるためには他にも理由があります。
熊野古道にゆっくり時間をかける重要性
「標準所要時間」が意外と巻けない
ガイドマップに記載してある時間は、健脚な方が休憩なしで歩いた場合の実歩時間です。「若いし大丈夫やろう、巻きで行こう!」と思っても、平坦な道は走りでもしないと人間の歩行スピードってそう大差ありません。二度目、三度目ならともかく、初めての道は立ち止まって地図を確認したりと時間はかかるのです。
史跡の解説看板を読む時間
熊野古道は歴史の道です。各所に王子や史跡が残っており解説看板が設置されています。どの程度の興味があるかによりますが、読まないで素通りするのはもったいないことでしょう。
神社・仏閣の参拝の時間
解説板と同様ですがお参り、あるいは観光に時間がかかる場合があります。ご朱印をいただくなら並ぶこともありますからまず最初に。お賽銭をしたり御守りをいただいたりする時間も計算に入れましょう。
季節の花、景色を楽しむ時間
目で見るのはもちろん、熊野古道らしいきれいな写真も撮りたいですよね。その日、その時でしか見ることのできない自然の光景があります。一度だって同じ日はないのです。
たとえばキノコは昨日までなかったところに突然現れます。夕暮れの田畑にトンボが飛びます。雨上がりの虹の空。蝶の舞うルート。ずいぶん見かけなくなったナナフシやタマムシを見つけることも。
登山は時間を競うものではない(アルピニスト三浦雄一郎さん談)
うーん!やっぱり三浦さんはいいこと言いますね。レジェンドですね、もはや神です。
この言葉にすべて凝縮されてる気がします。
急いで歩いて怪我をした
私自身が登山未経験から熊野古道にはまった人間。今だって素人同然で失敗ばかりです。
体力がなくて毎回、筋肉痛!なので休みの日には近所の山を上り下りトレーニングをしてました。そうすると徐々に筋力もつき疲れにくくなるのです。
人間の体ってすごいな!とペースアップできるのが楽しくなってきたんですね。今日は何分で歩けた!新記録~!という感じです。
比較的ハードめな山歩きや、古道歩きを続けたある日、熊野古道でもなんでもない、ふつう~の階段をそれもふつ~に下りていて突然、右膝にするどい痛みを感じました…。
原因と対策
幸い軽傷で医者からは「安静」と湿布をだされましたが、3週間くらい痛みがあって超反省。ネットで膝痛情報を検索しまくりましたよ…。(この時にトレッキングポール、テーピングを購入)
思い返して考えられる、要因は3つ です。
- ハイペースで、しかも負荷がかかる歩き方だった
- ウォーク前後のストレッチ不足
- 連日ウォークを慣行したので疲労の蓄積
熊野古道をやりはじめると最初はしんどいのですが、筋力・心肺機能・体力がつきます。これは一般論ではなく私本人のマジの経験です。
自分でもびっくりしてるのですが風邪をこじらせなくなりました。騒ぎすぎてノド痛い、二日酔いで死んでる…ということはあってもひどい咳や鼻水で病院に…なんてまずありません。なんか調子がいいのです。
失敗の要因は上記3つなのですが、一番の原因はここで「調子に乗ったから」です。
こういうのは自信ではなく慢心と言います。大事なのは心構えです。三浦さんの言うとおりで山は時間を競うものではないのです。
ゆっくり歩こう熊野古道!安全運転の標語みたいですが超重要です。
自分の弱点を知ろう
・下り道でヒザがわらう…
・登り坂で息がすぐ上がる…
人によりウィークポイントは違いますね。私は登りより下りが苦手です。下り道に必要なのは筋力なので日頃のスクワットが大事です。登りで息が上がる人は階段や坂道でのトレーニングが効果的。この心肺能力というのは筋力より早く効果が出るといわれます。
どんなトレーニングが自分に必要なのか、私は専門家ではありませんので延べられませんがヒントはいくらでも世の中にあるのです。
熊野古道というより、ようは登山だと思えば簡単です。登山人口は多いので『山 歩き方』で検索すれば情報があふれるほどあります。わからなければ登山ショップでの相談もいいでしょう。個人的にはYoutubeなどの動画がわかりやすいのですごくおすすめです。
ちょっと待って、と言おう
人と歩くときの注意ですが、登山の基本は一番遅い人に合わせることです。
気を遣ってしまいがちですがペース配分を互いに確認しましょう。我慢や無理は禁物です。