新型コロナと、熊野古道

※注)当記事は8月5日時点での内容です

 

今年3月、まだダイヤモンドプリンセスの感染が中心のニュースの最中、伊勢路と大辺路をはじめました。

三重県には行くけど歩き旅だから三密じゃないし!って、こんな未曽有の大災害になるとは思わず…その時はまだかなり甘く考えていました。

 

近況報告、コロナ婚!しました

御無沙汰しております。坂本改め、山田(嫁)です。

私事ですか…4月ついに入籍しました。(どーもどーも!ありがとうございます~♡)

▲親族での食事もままならない4月20日でした

 

が、そうです。予想だにしていなかったコロナ婚…!よって結婚式は延期中です。

現在は和歌山県田辺市の中心市街地のあたり、私の祖父母が暮らしていた空き家を拠点としています。熊野古道の一部でもある闘鶏神社の近くですよ。

2019年4月~翌3月まで、熊野街道・紀伊路・中辺路・小辺路・サンティアゴ巡礼道・伊勢路・大辺路と1500㎞以上を歩いて旅をした怒涛の1年は、コロナぎりぎり(セーフ?)で幕を閉じました。

▲スペインが気がかりで仕方なくて

 

とにかく濃いいいい~人生の転換期、燃え尽きたところにコロナショック。入籍したり色々あったので、なんだか受け止めきれず。ここのところは相当自分を甘やかしておりました。

新型コロナの問題は、不明確なことも多くて正解がないような気がします。ステイホームも頑張ったけど、そればかりでは気分が暗くて不健康だし、地元の熊野古道を歩いたりしています。

きちんと感染症対策をしながら、気持ちの切り替えが大切だなと感じる最近です。(と言いながら、また感染状況も変わるのでどうなるやらですが…)

熊野古道も、観光客減

熊野古道の語り部ガイドとして、春から活動予定だった夫。先輩ガイドさんから集中的に教育も受けていたのですが、ツアー旅行はすべてキャンセルになりました。

県外移動が制限された、緊急事態宣言下の4月は観光施設や道の駅なども休業。8月現在は再開しています。ですが、どちらも不安や矛盾を抱えながらの営業のようです。

 

個人のお客様もみごとに減りました。Gotoキャンペーンや夏休みで少しは戻りつつあるもの、また全国的に感染者が増えてきています。

白浜のホテルに勤める友人は、新規予約とキャンセルがエンドレスで問い合わせもひっきりなし、チェックイン時の体調確認などさらに接客は時間がかかる…と、白目を向いています。

和歌山県南部には大学がなく高校生アルバイトは重要な戦力です。ですが私の姪も今は感染のリスク回避のためバイトは自粛している現状。人手不足も深刻です。

 

それでも熊野古道を歩く人、歩きたい人へ

こんな状況下ですから、都市部のナンバーを見ると複雑な気持ちになります。

でも王道の中辺路はもちろん、マイナールートも果敢に歩く奇特な人を見かけると…正直ちょっぴりうれしくなる自分もいます。「がんばれー」って車の窓から声をかけたい衝動です。

富士山は登山道が閉鎖されたし、全国には休業している山小屋もあります。十津川村の公衆浴場は8/8~8/16まで休館となりました。でも、すべてがそうではありません。経済活動も大切で、観光客が来ないと生活が立ち行かない人もたくさんいます。政府や自治体のアナウンスに従って、自己判断するしかありません。

 

「来てください」 「来ないでください」

どちらも言える立場に私はありません(ただの主婦です~)。いやな言い方ですがお越しになるかは個人責任です。

地方ではどちらの声もあるのが現状です。そしてこの危機感は個人差がとても大きいです。

 

「私コロナじゃないんで大丈夫です」「田舎は空気が良くていですよね~」とマスクをしない人を接客し、気持ちがすり減るという声も多く聞きます。

だからお店や、人と接するときにはせめてマスクを着用してください。買わないものは、むやみに触らない。除菌薬も携帯して使用しましょう。

 

▲以前お世話になった小辺路の宿のおばあちゃんとワンちゃん、元気かなー。

 

特に県外の方に対しては神経質にならざるを得ない高齢過疎地です。

実際に感染する確率は数万人に1人でも、観光客を見るとコロナかも!と思う人もいるのです。

マスクでウィルスは完全に防げないし食事中には外すし…矛盾だらけで意味ある?と、私も思うこと多々あります。理性より科学的根拠のない感情が勝るというのは、ペストや魔女狩りのような歴史の失敗を繰り返すことになりかねないとも。

でも、不安を持っている人がいることは事実なんです。こんな時だからこそ、思いやり合う気持ちを。

 

ただし!ウォーク中はマスクを外してくださいね。熱中症の危険性が高いので、ガイド組織でもそのように統一されています。

アフターコロナの熊野古道

コロナが収束したら、熊野古道はまた甦ります

働き方、休み方、健康、旅、地方…そういったものが見直されているからです。「今一度、自分と向き合う旅がしたい」「これまでの生き方はなんだったんだろう」「都市部のリスクを避けて地方で暮らしたい」コロナを機会に、そう考えている人も増えているはずです。海外に行けないから国内の長期旅を模索している学生もいると聞きました。

今は長い長い歴史の一コマ。サナギの状態です。

▲大辺路の長井坂で見つけた繭玉

 

蝶はサナギの中で一度ドロドロに溶けて、それから再生するそうです。羽化するためにすべてゼロになる。(だから熊野古道には「変態」が集まるのか~と言ったお知り合いがいますが 笑)

安心してください、熊野古道はなくなりません。それどころか、さらに輝きを増して生まれ変わるでしょう。

その時まで待つものおすすめですよ。本当に歩きたいと願っていれば熊野に導かれるように、いつかきっと来れるはずです。

今は無理!と思ったら、居住する地域の良さを探して体力づくりを楽しんでください。熊野神社が全国にあるのはお詣りにいけない人のための遥拝所だから。

生きるか死ぬかの旅をした昔の人に比べたら、旅行は贅沢な悩みかもしれませんね。

コロナの状況は日に日に変わります。(昨日だってイソジン騒動勃発で驚いたところ…なんでやねん…)

あくまでこちらの投稿は、8月5日時点の個人の見解だとご理解ください。

どうか臨機応変に無理をせず、いつ、どんな風に旅をするかご検討くださいね!

 

 

妙なニュースに一喜一憂しても、現実は変わらないので。シュークリーム食べて笑っていることも大事かも??笑