紀伊路を知らずして熊野古道は語れない!

Why Japanese people!! と叫びたくなるくらい紀伊路はたのしい。

今日の紀伊民報の一面には、思わずニヤリとしたのです。

熊野古道を長く歩いて 外国人対応エリア、伊勢路にも拡大|2019.2.15 紀伊民報

スペインの巡礼道800kmを歩く人にとって熊野古道はどの参詣道も短い。もっとたくさん歩きた~い!というニーズがあって、そのため県をまたがって各参詣道がつながろうとしているそう。いいですね~私も物足らないと思ってました!

しかし熊野古道が世界遺産になったときに、こんな今の取り組みを誰が想像したでしょう?

また、この記事の紹介では紀伊路・中辺路を通しても300㎞とありますが、おそらく約40kmある淀川は含んでいないでしょう。(私は那智から大雲・小雲も入れるのでプラス約20㎞となります)

 

他のどの熊野古道にもない強みが紀伊路にあることを、多くの人は当たり前に知っているのにその可能性に気付いていません。それは“京都と大阪とつながる”ということです。世界遺産にもなってないこの2府にもその認識は薄いのですが、これを知っていて願っている人たちが確かにいます。

私は4月にこのルートに挑戦します。上皇・法皇の熊野御幸のように城南離宮で旅路の御祈祷をし、淀川をカヤックと船で川を下る。大阪の街で美味しい物を食べては歩き、人々とふれあい和歌山の地方都市からゆっくりと熊野へ入る。絶対におもしろいです。

http://kumanolog.com/2018/12/16/kumanokodo360/

これを言い始めたら、京都と大阪にもそれを願う気持ちが見つかりました。私は単純にうれしくて、こんな人たちがつながって欲しい!と思いました。そしてもっと同じ気持ちの人がいると信じています。

▲高速道下に熊野古道!?
▲意外な竹林に感動した紀伊路

 

紀伊路には中辺路のような自然は少ないけど熊野の神々がちゃんとあります。“王子”です。ほとんど形は残っていないけど、その片鱗を垣間見ると俗世の中にハッとするものが見つかります。街と熊野が交錯する。いにしえの参詣者が川を何度も渡って水垢離をしたように、熊野に近づくことを感じる。

この九十九王子は紀伊路と中辺路にしかありません。もっといえば『中辺路』というのは『大辺路』に対してあとから作られた名称であり、元々は中辺路も含めて『紀伊路』でした。だから紀伊路を知らずして熊野古道は語れないというわけです。大事なことなので強調しておきますよ~!!!中辺路は紀伊路の一部!!!

▲内装まで可愛いイチゴ電車

 

▲冬でも歩ける♪というのもおすすめポイント

 

京都から伊勢まで紀伊半島ぐるっと1周すればどんなに遊べるかなぁ。釣り、カヤック、三十石船、ホエールウォッチング!みなべの星空ツアーも!アスファルトばかりかと言えばそんなことないんです。

竹林、ミカン、いちご狩り。それに梅林。しらすにクエ、太刀魚。超ローカルな紀州鉄道や和歌山電鉄のネコの駅長。熊野唯一の本地仏。道成寺の絵解き説法、髪長姫の物語、お菓子の神様、熊楠、徳本上人…ほら行きたくなってきたでしょ!

みなべの『熊野古道で星空ツアー』もホットですね。この星空ガイドさん、起業したのが中辺路じゃないっていうのがスゴイ挑戦やなぁと思うから応援したいんですよね。悠久の星空、私も陰陽師の世界を海の熊野古道で想像してみたい!

それに初心者にも「一緒に歩こう!」と言えるのは北側の紀伊路です。だって遠足気分で大丈夫。トレッキングシューズがなくても、少々高齢であっても。しかも電車があるから京阪神からも参加しやすいのです。

自然が少ないことは必ずしも悪いことではありません。「山道は無理だけどアスファルトなら…」そんな日本人はたくさんいます。

外国人みたいに休めないのなら何週間も歩かなくていいのです。お遍路を歩くように東海道を歩くように。分割踏破は多様な季節が楽しめるもっとも贅沢な方法です。

クラブツーリズムでも2年かけて歩くツアーがあったそうですよ。自分なりの難行苦行できっとご利益はあるでしょう。

▲語り部つきの分割踏破イベントは本当に超おすすめ。坂本にも会えるかも?

 

だから地域の皆さんは歩いてほしい!なんてことのない田舎の道、散歩道。当たり前すぎて感動がないかもしれないけど今に世界中から参詣者が訪れます。熊野参詣に茶屋と旅籠は必須です。つまりカフェ・民泊・ゲストハウス。そんな起業のチャンスが紀伊路にはまだまだあります。

地元には仕事がないなんて言わないで、あなたの能力を活かせることもきっとあるはず。そうでなくったって歩くのって難しくないし、健康的ですごくいい趣味ですよ。

 

それに若い方は歩くとお得です!素直な気持ちでいれば、道中で親切な年長者はたくさんのこと教えてくれます。歴史文化を愛する人ってみんなやさしい!って私はこの数週間でめっちゃ体感しています。

おいおいそんなことより、1日ごとの行程表はまだか!?と言われそうですが、すみません…来週は出張もありまだ少しお時間をいただきます。

でもそのおかげで来週は伏見では超重要人物に会えるかもしれないし、3月初旬にはこれまた熊野古道のレジェンドみたいな方々、大阪では熊野街道のキーパーソンにも会えそうです。

私の旅は、完璧に成功することが目標ではありません。失敗してもそれがレコード。熊野のログです。やれるかどうか挑戦することです。

どうぞ楽しみにお待ちください!