小口にあたらしくできた宿泊施設
中辺路ルートの難所、大雲・小雲取越え。
その名の通り、雲の中をいくが如きのアップダウンが待ち構えるこのルートは古道と言うより登山。
この登山道には途中に宿泊施設が少なくて、大雲と小雲の間にある「小口」という集落には小学校を改装した「小口自然の家」と「民宿百福」さんくらいしかありません。
小口がある熊野川町は新宮市ですが限りなく本宮町寄り。どちらへも中心地へは車で30分くらい。 国道168号線から西に約8km進むと、それは美しい川と豊かな山に囲まれた‥…つまりは何にもない山間の集落が現れます。
そんな僻地に2018年秋にオープンしたのが「Kumoma lodge(雲間ロッジ)」です。
きっかけはfacebook
予約が取れない~!ん、新しいゲストハウス?!
今年春に挑戦した熊野古道360kmの旅。宿泊予約を年末の真冬にはじめたのですが…すでに小口は満室でした。あちゃ~。
元々キャパの少ない場所。海外の旅行客はもちろん、毎年やってくる合宿もあり早くから予約でうまってしまいます。
その時に見つけたのがオープンしたばかりの「Kumoma lodge(雲間ロッジ)」でした。
でも、1日1組限定なので1人旅だと割高です。口コミもまだありません。
「しかしなかなか個性的でおもしろいのがあるなぁ~」と気になってフォローしていたのです。
(ちなみに小口エリア満室のため、日足のサンサロカフェさんでお世話になりましたヨ)
ビルに滞在したい人の募集!これは面白いかも!?
紀伊路、中辺路、小辺路を終えた5月。
「夏にスペインへ行くまで…どうしよかなぁ~。家なき子の山田さんと暮らすとしても拠点は急いで決めたくないしな~。」と思案している時のこと。再び『雲間ロッジ(ページ名は熊野マウンテンビルディング)』のfacebookページに目が留まります。
以下の募集でした。
ざっくりいうと『宿泊施設に滞在しながらゲスト対応をしてくれる人』というものでした。昔ながらの言い方をすれば住み込み管理人。
しかしアーティスト向けのコンセプトらしく、労働条件はかな~りゆるそうです。そんなに働きたいわけではない私と山田さんにこれはピッタリ!
<募集条件>
・期間 約1か月
・滞在費不要
・週2組程度のゲスト対応
・3組目からは手当あり
・Wi-fiあり
<魅力的ポイント>
・ブログを書いたりスペイン巡礼の準備やいろんな作業に集中したい
・できれば熊野古道のどこかで知見を広げたい
・8月からスペインに行くのでそれまでの期間だけでいい
・オフシーズンで1日1組だけなら負担は大きくない
・熊野三山(本宮・新宮・勝浦)、紀伊半島全体(奈良、三重)へのアクセス良好
・川遊び出来そう
・何かわからんけど、ちょっとおもしろそうな雰囲気がする!!!
すぐ連絡をして、数日後には物件を見せてもらいます。案内してくれた並河さんとは共通の知人もあり話もはずみ「これは良い流れかも~」という直観を信じ、6/19~7/31までの約40日間の滞在を決定。
こうして住所不定無職、熊野古道歩いて一緒になった不可思議な運命の2人は、店番をしていた滝尻から小口へと…ほいほいやってきたのでした。
熊野古道の大雲・小雲取越えの間にあるゲストハウス「雲間ロッジ」での生活がはじまりました✨
約1ヶ月半滞在しホストをしながら色々なイン&アウトプットしたいと思っています。
ゲストをお迎えするために昨日からバタバタ💦
でも掃除をして汗をかいたら川遊びができる!がんばろー💖 pic.twitter.com/h5aivU2OZx
— 熊野ログ|小口の雲間ロッジで住込みホスト (@kumanolog) 2019年6月20日
雲間ロッジってどんなところ?
旅人御用達、集落唯一のショップ『南方商店』。雲間ロッジはその正面にあるコンクリート3階建てのビルです。
ビルは元農協の建物で外観は無骨ですが、現代アート作品や書籍が置いてあり1Fソファで閲覧できます。かつて使用していたであろう農協の備品などがアンティークな雰囲気。
1Fが共用リビング、2Fが客室で2部屋あり現状は最大6名まで宿泊可能。地下1Fはシャワールームです。
基本的に素泊まりで朝食はパン・果物・ハム・チーズなどセルフサービス。
Airbnbの予約ページの通りここは『ホテル』ではなくあくまでも『ロッジ』、鉄筋コンクリートの山小屋。登録カテゴリーは『納屋』という一風変わったお宿です。
浴衣や歯ブラシ、もちろんルームサービスもありません。
でも寝具・バスタオル・シャンプー・ボディソープ・エアコン・冷蔵庫・湯沸かし器あり。フリーのコーヒーや紅茶もあります。テレビはありませんがWifiが使用できます。
気になるお値段をみてみよう
Airbnbという宿泊予約サイトは特有のシステムがあって、清掃・サイト利用のサービス料が別途発生します。2019年7月1日宿泊で試算した結果は以下の通りです。
<2名の場合の料金>
<6名の場合の料金>
利用人数別の料金比較
1人当たりの単価は利用人数により以下の通り変動します。
利用 | 宿泊料 | 清掃料 | サービス料 | 合計 | 1人当たり |
2名 | 24,200 | 2,000 | 3,650 | ¥29,850 | @14,925 |
3名 | 27,200 | 2,000 | 4,068 | ¥33,268 | @11,089 |
4名 | 30,200 | 2,000 | 44,86 | ¥36,686 | @9,171 |
5名 | 33,200 | 2,000 | 4,904 | ¥40,104 | @8,020 |
6名 | 36,200 | 2,000 | 5,322 | ¥43,522 | @7,253 |
※2019年7月1日 1泊での試算です
※少数点以下切り捨て
※人数に関わらず洋室・和室の2室を利用できます
もう少し価格下げて稼働を上げれば…と思ってしまいますが、実は熊野古道の人気を利用してひと儲けしてやろう!という…ただの営利目的で作られたのではありません。
キーワードは「フルサト」と「アーティストレジデンス」
一般的なゲストハウスとも民宿ともちがう個性的な形態は『アーティスト(芸術家)レジデンス(住居・住宅)』としての側面があるためです。
このあたりのコンセプトや想いは、以下のリンクにまとめられています。ぜひご覧ください。
→「勝手に始める地方創生」 世界遺産、熊野古道の山村にあなたの「フルサト」をつくるプロジェクト
色んな方が加わってリノベーションした、とても夢のある建物のようです。
プロジェクトリーダーの伊藤さんにはまだ会ったことがありませんが、山田さんが「え!伊藤さんってこの伊藤さんだったの?!」と驚いて手に取った著書「ナリワイをつくる」には、新しい時代を生きるヒントがありそうです。滞在中に拝読します。
私たちが滞在しているkumoma lodgeを作ったのは、この界隈では有名な伊藤洋志さん。
私もできれば就職などせず、小さくても何か自分にしかできない仕事を作りたいなと思っています。 pic.twitter.com/E3zwSiN2pJ— 熊野ログ|小口の雲間ロッジで住込みホスト (@kumanolog) 2019年6月26日
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のぞきに来てくださいね!
先日お友達が来てくれました。紀伊半島の道を全てコンプリートしている超強者です。
熊野クレージーな2人が遊びに来てくれた
!💖
淀川のくらわんかレースに平安衣装で仮装して出場するつもりらしい!最高!!
ほんでこれ市女笠になるんじゃない?!って電気の笠を被ってみたり
😆
そして摘んできた野イチゴをもらった!!うれしい〜 pic.twitter.com/G1ESyobqX4— 熊野ログ|小口の雲間ロッジで住込みホスト (@kumanolog) 2019年6月22日
7月28日(日)『第1回 淀川くらわんか舟イカダレース』に平安衣装で出場しようと考え中だとか。それめっちゃ応援に行きたいんやけど!?
『淀川も熊野古道』その道を徹底的にやろうという熊野クレージーな楽しい仲間です。
そんな感じで(どんな感じで?)つまりゲストのない時なら、お話もできるのでみなさまウェルカム!ということです。お気軽にご連絡くださいませ。
川でBBQと燻製やりたい!とか、日の出前に熊野古道歩こう!とか、近くに滝があるみたい!?などなど…山田さんと言うております。周辺のいいところを調査しなくっちゃ。
またtwitterでは、しょーもないライフスタイルを晒しております。ひまつぶしに見ていただけますと幸いです。
炊飯器ゲットしたけど今日は鍋で炊くという元山岳部。
元農協のビルなのでキッチン設備はありませんが日々の自炊をたのしんでいます。#田舎暮らし #まるで隠居生活 pic.twitter.com/KfgeJGSusx— 熊野ログ|小口の雲間ロッジで住込みホスト (@kumanolog) 2019年6月26日