雨の熊野古道を歩こう|④紀伊路130kmウォーク!(橘本土橋~紀伊宮原)

第4回『語り部と歩く 熊野古道紀伊路130kmウォーク』に参加しました!

今回の天気は雨!!!全然写真が撮れていないため、紀伊路語り部の会facebookページから画像をいくつかお借りしてます。

熊野古道を歩くのに雨…ってなかなか残念な気分になりがちですが、実際どんな感じだったのかをご紹介します。

さて今回もJRの駅集合&解散です。…が!さっそくトラブル発生です…

 

第4回 語り部と歩く 熊野古道紀伊路130kmウォーク

開催日 2018.6.23(水)雨ときどき曇り
参加費 1,000円(資料代、ガイド代、保険代込 ※弁当各自持参)
コース 紀伊路(JR加茂郷〜JR紀伊宮原 約14km)
集合  8:30 JR加茂郷

歩行記録

▲橘本から紀伊宮原駅までのログ 約8.3km(※加茂郷駅からは含まず)

 

8:30 JR加茂郷駅集合

家に財布を忘れてきました!!最悪です・・・。早起きして梅干しおにぎり握って、差しっぱなしのETCカードで走行してきました。おにぎりや雨具の入ったリュック、帰りは温泉のつもりで着替えのカバン、その2つとトレッキングポールを持って。財布の入ったウェストポーチを玄関に置いてきたのです!! はい、2つ以上荷物があると忘れるやつ~!

もう引き返せません。参加費の1,000円も払えないし、ゴールからスタートの駅に戻る電車賃さえありません。選択肢は2つ!ドタキャンか!借金か!どちらも人として最低。しかし急病だと嘘ついて電話するより、参加者が減らない方がマシではと考え、正直にお話しました。

「すみません、情けない相談なのですが…」事務局担当の語り部さんが「私も明日食べるごはんにも困ってるから、次回必ず返してね」と笑ってお金をお貸しくださいました。有難いし、情けないし…前代未聞でしょう。(穴があったら入りたい)

さて、そんな今回の紀伊路は天気予報の通り雨です。しかし大体の語り部イベントは警報でもない限り雨天決行です。覚悟するんだ!キャンセルせずにやってきた参加者は、きっと精鋭ぞろい!!恥ずかしさで挙動不審のアホも一人混ざっていますが、さあ出発です。

 

10:00 土橋

▲前回の土橋まで戻ってきた

 

第3回のウォークで歩いた熊野古道の橘本土橋まで戻ります。駅からここまでは熊野古道ではありません。長くて退屈な道ですが、雨合羽を着たり脱いだりを繰り返しなんだか忙しい。(着ないと濡れるし、着ると暑いし、雨も降ったり止んだり)

10:15 所坂王子跡 橘本神社

▲おお~有名メーカー
▲見てるだけで楽しい

 

製菓メーカーに勤める同郷の友人が「和歌山にお菓子の神様がいるから、うちの会社は和歌山出身やと面接のウケがいいんやよ」と言ってましたがこれかー!!!田道間守が常世の国から橘を持ち帰り、この地に初めて植えた実がみかん。それが菓子となり、みかんとお菓子の神様として崇められるようになったんだそうです。

名立たる製菓メーカーの名前が書いてあっておもしろい!おたべ、聖護院八ッ橋、江崎グリコ、駿河屋、フルタ製菓…(寄付金額順)。駿河屋は全国的に有名ですが和歌山で生まれた企業ですね。那智黒、福菱、湯の国、かどや等…南紀おなじみの企業名ももちろんあります。

山路王子神社(一市坪王子跡)

▲語り部の会のFacebookより(こんなに晴れてない)
▲こちらもFacebookから。泣き相撲見てみたいな~。

 

秋祭りの通称「泣き相撲」が有名です。元気よく泣いた赤ちゃんが勝ち!というほのぼの相撲。土俵もありました。

元々あったとされる一坪王子、天照大神、応神天皇が祀られています。王子のほとんどはその姿をとどめていないので、これだけ形が残っているというのはかなり貴重です。

 

沓掛登り口

 

▲会のFacebookより。急坂のはじまり。

 

これから越える拝の峠は、きついから拝みながら登ったとか、熊野の神様を拝みながら登ったとか。とにかく拝みたくなる峠だそうです。そんな峠の入り口にはわらじを履き替えた沓掛(くつかけ)と呼ばれるポイントがあります。

この沓掛って、私はここで初めて出会ったのですが、熊野古道以外でも全国の急坂の登り口にはあるそうですよ。さぁいよいよ!という場面。雨は止む気配もなく、互いのリュックカバーをかけあったり協力して準備します。

弘法寺

▲会のFacebookより。お堂のガラスに青空が反射してますが…雨ですからあー!

 

お大師様は井戸掘り名人!じゃないですが、弘法大師は水なき場所に水源を出現させたりとなにかと水にまつわる伝承を全国に残しています。そして同様に岩に爪で書いたという爪書地蔵も。ここには弘法井戸と爪書地の両方が揃っています。

軽トラの会長がどこからともなく現れて「今、挨拶してきたよ~」と事務連絡。雨のため今回は、熊野古道では関係ないのですが、近くのお寺の軒下を雨宿りと昼食場所にお借りするそうです。

11:30 昼食休憩

▲しとしと雨
▲つやつやグリーン

 

語り部さんからは「ご厚意なので、迷惑にならないようトイレは次の休憩でお願いしますね。本堂には上がらず軒下で食事をしてください。」とご案内。小さな集落のお寺です。汗と雨でべたべたの私たちは軒下で十分です。

おにぎりを食べ始めるとお寺の方がおいでになり「そんなところで食べないでどうして本堂に上がってくれないんですか、どうぞ使ってください、さぁどうぞどうぞ椅子もありますよ、そんな所でお尻が濡れるじゃないですか」とおっしゃいます。「いえいえ!ここで大丈夫ですから」と押し問答。

「雨に濡れてコケがきれいやねぇ」ふと参加者の一人がおっしゃいました。輝く緑を見て、晴れていては見えないものがたくさんあるんだなと、ほっこりした気持ちになりました。

 

蕪坂(かぶらざか)峠

▲うわー絶景!(画像はイメージです)もちろん会のFBより拝借

 

晴れていると眺望がすごくいいそうで、参加者より悔しがってくれる語り部さん。ええんやで、ありがとうやでの気持ち。

申の刻つまり15時を過ぎると妖怪が出ると畏れられたそうで、鏑(かぶら)の矢を使って魔物や動物を撃ったことからこの坂の名称が蕪坂になったんだそうです。

いい景色やなー(想像)

 

蕪坂(かぶらざか)王子跡

▲意地で撮った写真

 

本来はここが昼食ポイントでした。しばしトイレ休憩です。

カッパを脱いで…リュックカバーをはがして…リュック地面に置けないから担いだままスマホをごそごそ取り出します。ええ、なにしろウエストポーチを忘れましたので!リュックからの出し入れがかなり面倒ですよ。

携帯電話は防水仕様ですが、レンズが濡れないように注意して雰囲気写真を撮りました。傘もいるなぁ。

太刀の宮

▲刀がたくさん奉納されている ちょっと怖い

 

大阪夏の陣で外れた剣豪 宮崎定直がここまで帰ってきたのですが、うっかり眠ってしまいます。

夢うつつの中で追っ手に囲まれるも、思うように体が動きません。万事休す!というとき腰の太刀がひとりでに動きだし敵をやっつけました。目が覚めるとたくさんの敵が切られており、太刀は二つに折れています。折れた太刀を拾うとあら不思議、元に戻ったのだそうな。めでたしめでたし。

という伝承があり、刀をお祀りしてあります。見た感じはちょっと物々しいですが、剣術はもちろん必勝祈願それに喘息にもご利益があるそうです。

 

爪書地蔵

▲会のFBより

 

弘法様が爪で大岩に描いたお地蔵様が祀られています。正面から見ると普通のお社ですが、裏側を見るとびっくり!岩のおしりがお堂から飛び出しています!元々岩があったところに後から建物を作ったそうです。むちゃくちゃおもしろい!のですが肝心の裏側の画像がありません。ぜひ行って見てくだされ。

ここから少し熊野古道を外れます。

雨で道があまりに滑るため、少し傾斜のやさしいルートが選択されました。わかっていても滑るんです。この日は本当に一歩いっぽ、慎重に歩きました。

 

13:30山口王子跡

▲山口王子跡
▲手水鉢が残っている

 

山の登り口、ということで山口だそうです。旅の安全のために作られたそう。今は広場になっていて東屋で座って少し休憩ができました。

伏原の墓

▲会のFBより、伏原のお墓。

 

かつては命がけだった熊野古道。途中で倒れる者もおり、そんな参詣者のために伏原の人たちが作ったお墓だそうです。きれいにしてあって、今も大切にしてもらっているのが分かります。そんな歴史の道を歩かせていただいております。

 

14:20 JR紀伊宮原

▲JR加茂郷駅

 

伏原からは平坦なアスファルト。2km約30分で紀伊宮原駅に到着です。

雨でカッパを着ると暑いし、脱いでじっとしてれば寒い。道はとんでもなく滑る。当たり前のことですが、こんな厳しい条件の中ケガなく完歩できたのはイベントを主催してくれている語り部さんたちのおかげだし、一人では経験できないこと。

長い熊野古道が、晴ればかりのはずがない。景色が見たけれりゃ何度でも歩けばいい。

さぁ次は9月!必ず参加するぞと心に決めて解散いたしました。

(借金返さなきゃ!)

おまけ 雨天の装備について

 

雨の熊野古道(6月)、実際に使用した雨用の装備品とまとめです。

装備品 活躍度 感想
モンベルのレインウェア(上) × 透湿機能と言ってもさすがに6月。厚手のしっかりしたレインウェアはめちゃくちゃ蒸れるし暑い。すぐ脱ぎました。ウィンドブレーカーにもなり秋冬は重宝してますがこの日はダメ。
モンベルのレインウェア(下) 自分の靴で水がはねて思ってる以上に濡れるし、ずっと冷たくて不快。車も通るので水かけられることもあり。100均でいいのであった方がいいです。(超推奨)
100均の雨カッパ 大きめサイズでリュックごとカバーできた。防水はイマイチだが暑さがマシ。めったに着ないレインウェアに高いお金を出すのはためらうと思うが、100均でもあるとないでは大違い。上下セットで持っておいて損なし。もうちょっとしっかりしたものならワークマンが安くておすすめ。
アマゾンで買った安い2ストック ストックデビューだったがあって良かった。雨の日は特に道が滑る。わざわざ買う必要はないがあると安心。これもピンキリだが個人的には安物でも問題なかった。
ミレーのリュック(カバー付) リュックカバーがセットされてあり便利だが、これだけだと一時しのぎで防水的には貧弱。100均一のカッパをリュックの上から着て二重にした。食品用のジップロックで携帯機器や財布を守るなどリュック内での防水も肝心。
ゴアテックスのシューズ 本格登山よりアスファルトも歩ける軽量のものを、と購入したので滑りやすいが、どんな水たまりも余裕だった。長靴かよと思うくらいゴアテックスは浸水なし。まじカンペキ。靴だけはケチらずいいもの買ってください。

レインウェアの買い方ですが

・小雨でビギナーなら、100円ショップ
・ウィンドブレーカー兼用でコスパ重視なら、ワークマン
・本降りの雨でもやりたいなら、登山ショップ

がおすすめです。もちろんビギナーにも登山用品がベストですが、その分高い。でもレインウェアってそう何度も使わないんです。

私は最初から本気だったので登山ショップで買い揃えました。レインウェアは上下で17,000円くらいだったと思いますが、数える程度しか使ってません。やはり靴やウェアの頻度がもっとも高いです。

メルカリなど中古でも販売されていますが、明日天気があやしいな~っていう時、直前の判断で買えるのは実店舗でしょう。前もって下見に行っておくといいですよ。

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