波音を感じて南方へ|⑨紀伊路130kmウォーク!(西御坊~印南)

第9回『語り部と歩く 熊野古道紀伊路130kmウォーク』のイベントに参加しました!

(はい!第7回と第8回の更新ができていませんが、第9回のレポートです。)

今回は紀州鉄道西御坊駅~JR印南駅までの約13㎞。アップダウンほぼなし、アスファルト道がほとんど。お散歩としてはちょっと長いけど、ジーパン参加者がいるくらい易しいコース。

みどころは海の景観!民家を抜けて海沿いへ。輝く水平線を見て南部に入ったなぁと実感します。

https://twitter.com/kumanolog/status/1088309799748493314

 

第9回 語り部と歩く 熊野古道紀伊路130kmウォーク

▲パっと見るとアップダウンあるみたいですが最高高度34mなのでご安心ください

開催日 2019.1.23(水)快晴
参加費 1,000円(資料代、ガイド代、保険代込 ※弁当各自持参)
コース 紀伊路(紀州鉄道西御坊駅~JR印南駅 約13km)
集合  8:50 御坊駅構内

歩行記録

8:50 JR御坊駅 集合

▲0番ホームから電車が発車します!
▲参加者でこのあと満員になりました

 

御坊駅の構内に集合です。というのも、ここから9:16発の紀州鉄道に乗ってスタート地『西御坊駅』に参加者全員で向かうからです。私と友人は車なので御坊駅近くの駐車場(1日500円)を利用し、改札へ。

日本一短いと言われた紀州鉄道、略して『紀鉄』の総延長はなんと2.7㎞、わずか5駅を時速20㎞で走る最高にレトロで、のんびりしたローカル線です。

2002年、千葉の芝山鉄道に日本一の座を奪われましたが鉄道ファンから根強い人気です。

10:00 スタート

▲毎回くださる小冊子にはコースの解説があって復習に重宝するのです

 

4班にわかれ準備体操。風もないしめっちゃいい天気。

私たちのガイドは出石(いずいし)さんです。「こんなことしてますが内気なんです~」とおっしゃいますが、とっても親しみやすい女性の語り部さん。なんでも年末年始の忙しさで出た発疹が川湯温泉で治まったので、今さら蘇りを実感したんだって!ほう!川湯!すごいのか!

サポートで柴田会長や堀さんが、道中現れたり消えたりします。参加者が羊なら、メインガイドが牧羊犬で、それを操る人間って感じ?

紀伊路は初めてのコースばかりですが…いつも!予習してません。今回もよろしくメェ~。

10:15

▲日高川わたるよー
▲昭和28年の水害で流された橋の基礎だろうという話、かつらぎで聞いたことを思い出す。

 

まずは前回の熊野古道まで戻ります。清姫が大蛇になって渡った日高川を眺めテクテク。ゴーゴーと車が通ります。

そして川沿いを下流へ。この辺りの桜は3月末頃が見ごろだそうで。川向いにはオペラハウスがあります。(うそ、浄化センターです)

10:45 塩屋の町

▲ここは製塩の町なのだ。なんてわかりやすい町名。

 

魚屋権兵衛(うおやごんべい)という男が、ここで製塩をして各地に広めたところから「塩屋」の姓を賜り、地名になったそう。塩屋王子には伊勢神宮から勧進された神様をお祀りしていて「お清めにも使う塩は、神社とは切っても切れない関係があります」という話です。

▲でっかいお屋敷

 

網本の屋敷の大きさは、かつての財力を物語るよう。「網本…って漁業組合の組合長みたいなんですか?」と聞くと大体そんな感じでいいみたい。

またこの辺りでは、「神はこの地から金色の熊で熊野に向かった。そして3頭に分裂し三山となった」と言う興味深い伝承があります。本宮では三体の月が出たと言われたり、新宮に降り立ったと言われたり、いろんな説があっておもしろい。

11:25 光専寺にあるビャクシンの巨木

▲いい巨木ですねー

 

途中の小学校でお手洗いをお借りし、光専寺へ。

熊野古道とは直接関係がないそうですが、おそらく樹齢600年を超すであろう巨木があるということで少し寄り道です。I LOVE 巨木。

11:35 水平線の熊野古道

▲海沿いの熊野古道、最高です
▲足元にはスイセン♪

 

「わー海や!」うっすらと四国が目視でき、スイセンも青空に映えます。

11:45 祓井戸観音堂 徳本名号碑

▲お堂の中には観音様がいらっしゃった

 

本日の昼食ポイント。ここには千手観音様がお祀りされています。紀伊路おなじみの徳本上人の名号碑もありますよ。

おにぎり食べながら春に計画している3週間歩き旅の旅程を、柴田会長と朝日の記者さんとお話をしました。

12:35 一里塚

 

一里塚は徳川が整備した4kmの目印です。和歌山城より12里、つまり48km

12:38 ほっこりした景色

 

“そうた、はると、じいじ” もうめっちゃ和む。

その先のお店にもイラストがあって、またほっこりしました。入道雲も笑顔。

 

人の生活が見える、なんでもない小さな発見も紀伊路のおもしろいところ。

12:45 清姫の草履塚

▲草鞋を松にかけたとも言われるし、袈裟掛け松もあったと言われるし松原があったのかな~

 

安珍を追いかけた清姫が「こんなもの履いてられるかぁー!!」と言ったかどうかはわからないが、脱ぎ捨てた草鞋がここにあったといわれます。

場所は定かでないけど、安珍が袈裟をかけた松の木もかつてあったそうです。その木を切ると赤い血のようなものが出るから人々は恐れて伐らなかったんだそう。

 

12:50 野島の万葉歌碑

▲女性の天皇の呼んだ句

 

斉明天皇の句。「見たかった野島の景色は見たけど、真珠はまだだ」という内容だそう。おねだり?

ここハシ長さんでいつもお手洗いを借りるみたいですが今日は休業だそうで、次の公民館と学校でお借りしました。

お魚も買え、食事もできるみたいなので立ち寄りたいなぁ。

 

13:38 和歌山高専

▲和歌山の優秀な人材が集まっているのだ

 

和歌山工業高等専門学校。県内でもここに通うのはかなり頭の良い学生。熊野古道沿いだったの知らなんだなぁ。向かいには名田小学校もあり、学校に囲まれいるよう。平成の熊野古道は通学路でもあるのだ!

 

▲一切の画像加工せずにこの色合い!きれい~♡

御坊から印南はお花の栽培が盛んで、ビニールハウスがたくさん。中でもスターチスは主要な産業です。

なんとなく調べたら花言葉は「変わらぬ心」「途絶えぬ記憶」。スイセンは「神秘」だそうです。えっ歴史ウォークにぴったりじゃない!?

 

12:50 上野王子

▲本当は仏井戸のところにあったそう
▲語り部たちが、あっちだこっちだと何やら相談中

 

長い歴史の中で王子は何度も移動しているのですが、ここもその一つ。元々は仏井戸のあたりにあったというのが有力な説だそうです。

おや?何やから語り部達が相談しているぞ?? と思ったら一部ルートを変更して少し戻ります。

14:00 仏井戸

 

そんなわけで仏井戸を見にきました。ただ引き返すんじゃなくて的確な近道への誘導に感心。距離は増えたけど、イベントも9回目となると参加者もリラックスしてるので、気にする様子なくほのぼの。

ここの井戸には仏様3体が彫られていて、とても珍しいんだとか。水が貯まって見えないけど、年に2回の井戸浚えの時にだけ拝顔できるそうです。

さっき見た上野王子がその昔ここで火災にあい、今の場所に移ったそう。そしてここには、もう二度と本地仏様が熱い思いをしないようにと、井戸の中にお祀りしたんだそうな。日本昔話みたい。

 

14:20 清姫の腰掛け石

 

道成寺から南はやはり、清姫にまつわるものが多いですね。ここに残るのはそれこそ昔話の「三枚のおふだ」みたいなストーリー。追ってくる清姫が、この石から動けなくなるよう安珍が念じたんだって。どんな呪術だったのか、どんな様子で動けなかったのか、想像するとおもしろいなー。

▲わ~5,000円札しかないよ~と言ってたらおごってくれました。若い人ってお得ですよ~。(コラ
▲あっ、犬野古道
▲和歌山名物グリーンソフトがあるよ~

 

仏井戸の近くにはイチゴ農園、そして腰掛井戸すぎると42号線沿いに産直があるのですが立ち寄らず。無念。

 

15:15 叶王子(津井王子)

▲堀さん『ほら港の見える丘だよ!』
▲やにこいかえらしわらよ(訳:とても可愛いですね)

 

サポートの語り部 堀さんが「港の見える丘だよ!」とやたら教えてくれ「こことちゃうろ~」と会長が言いますが、なんのことかさっぱり。あとで調べると戦後の歌謡曲だそうです…さすがにわからん笑

とにかくそんな「印南の」港が見える丘に、叶王子(津井王子)はあります。

▲石碑と、オリジナルスタンプがあるよ

 

観音王子から、かんのん、かんのん、かのう…叶王子と名前が変わったようですが、その前は津井王子という名前だったり移動してたりで、よくわからないみたいです。

ナゾ多き叶王子…叶姉妹と似ている?(いや似ていない)

生花が供えられ、オリジナルのスタンプもあり大切にしている方があることが伝わりました。

 

15:25 鰹節発祥の地 (公園)

▲鰹節ってすごい発明やと思う。
▲実は印南漁港は私の飼っている猫ちゃんが拾われた故郷でもある むりやり#猫野古道

 

港の近くに公園があり、「鰹節発祥の地」の石碑があります。

1人目は製法を考案した角屋甚太郎、2人目は秘伝なのに枕崎に伝授して帰って来れなくなった森弥兵衛、3人目は房総・伊豆に伝えた放浪人の印南輿市。そんな3人の男の物語。

味噌醤油や捕鯨も和歌山発祥。海のつながり(海の道)が見えないけどあって、白浜とか勝浦とか地名や文化が共通だったりする。ロマンやなぁ。

15:45 ダルマ醤油

▲写真じゃ伝わらないけど、なんかいい店構えでした

 

駅までの道は商店が並んでて、賑やかな時代があったことを想像できます。

レトロやけど新しくていい店構えの醤油があるので、おっ!と思って1人足を止めていると「鰹節を作った角屋甚太郎の本家や。今は醤油屋やけどな。」と会長。「従業員は4名!」なんて細やかな情報提供でしょうか(笑)

後ろを歩いているとサポート役とお話ができるので、おすすめだったりします。

14:50 JR印南駅

▲駅舎はあたらしい
▲西日を背に。カエルと電車を待とう。

 

さぁJR印南駅です。去年、一昨年も行われたトレイナート(トレイン×アート)イベントのおかげで、紀南のローカル駅では時々こんなかわいい空間と出会えます。

車社会の和歌山なので、印南駅で乗降することは普段ないのです。新鮮で楽しいね。

▲電車からカエル橋を見ると、今 印南やなって思うよね(和歌山あるある)

 

印南のシンボル、カエル橋もホームから見えました。無事カエル!ってやつやな。

和歌山を南北に延びるJR。帰る先の電車にわかれて解散です。ちなみに私たちはそのまま御坊駅近くの銭湯へ!)^o^(

紀伊路のみなさま来月もよろしくお願いします!