「ぼく先生辞めます」旅の仲間 山田さん登場!

こんにちは、やってることが下見とあいさつに回る修学旅行の先生と言われた坂本です。そんな感じで(?)昨日、一昨日も大阪と京都に行ってきました。

目的は阪急梅田でラジオ出演!!だったのですが、カヤックのスクールも受けることにして全行程参加の山田さんと受講してきました!!

生涯の友、はじめましては淀川で

3月9日(土)メールとLINEのやりとりだけで、声も顔も知らない山田さんと阪急柴島駅に集合です。まだ暗い始発の電車に揺られ、到着した淀川近くの駅は冷たい空気でしたが気持ちのいい青空でした。

トレーニングのため7kgのバックパックを背負って来たけどピッタリフィットで背筋が伸びます。白浜のSTOCK OUTDOORのご夫婦に見立ててもらいましたよ。奥様にいただいた沖縄の御守りがうれしい気持ちになります。

カヤックを漕ぐのでスポーティな装いの山田さんが、帽子とマスクでぬっと現れた8時50分。うーんどんな顔かよくわからんぞ!けれど、この人と3週間歩くのか~!と不思議な出会いでワクワクでした。

「あ~どうも!よろしくお願いします」とどちらから声をかけたかわかりませんが、互いにぺこぺこと挨拶をし河川敷に向かって歩き始めました。

山田先生、学校辞めるって?!

山田さんと出会ったきっかけは関西大学の教授の紹介でした。

熊野本宮大社に関大卒業生がオープンしたくまのこ食堂(kumano.co)、こちらで村川教授を1月31日に紹介いただきました。やさしい笑顔の教授は、旅の計画をとてもおもしろがってくれて「学生や知り合いに伝えるね」と言ってくれました。

そうは言っても会ったばかりの私になにかしてくださるとも、反応があるとも正直期待はしていませんでした。

2月10日、山田さんから最初のコンタクトがありました。

京都の高校で社会科の教員をされていて、学生時代に野宿しながらお遍路や、サンチャゴの巡礼道も歩かれたそうです。今回の企画を見て、いてもたってもいられなくなってメールしたとのこと。計5泊の参加を希望されました。

ところがその9日後「これから仕事場と相談するのですが、行くなら全部行きたいという気持ちが強くなってきています。条件が揃えば全行程にご同行できるかもしれません。」と連絡が入りました。

えええ!?そんなにがっつり有給とれるということ…なのか?いやでも新学期やろ、大丈夫?と思ったら「ここ数か月で自分で大きな変化があり、先生辞めることにしました」と言うのです。ええええーーーーーーーーーー!?

フーテンの山田さん

カヤック終了後、梅田まで歩こうとさっきまで漕いでいた淀川にかかる橋を渡ります。暖かい日差し、川風が気持ちいい。

▲マスクでカヤックする山田さん(花粉症)
▲大都会の真ん中でカヤックも新鮮!超たのしい

 

私がなんでこんなことやろうと思ったのか、山田さんがどうして教職員辞めちゃうのか、互いのことを色々話しました。「32才まで学生だったんですけど、働かなきゃって気持ちに負けたんです。」と話す山田良憲さん37才(社会人歴5年)。

立命館大学で宗教哲学を研究されていたそうで、英語・フランス語もできる優秀な方ですが「一般的な働くとか、同じ場所で生きるとかいうのに向いてないんです。たぶん、巡礼向きなんですよ。」と言います。巡礼向きってなんだよ…。

4月からは正教員でなく非常勤にしてもらって、やりたいことをしたいと考えていたそう。たとえば6月にバイクで北海道1周するとか。スペイン巡礼で最近注目の北の道も歩くとか。そんなタイミングで熊野古道の旅を知ったのだそう。

しかも5月には賃貸を引き払って、ホテル・ゲストハウスを拠点に暮らしていくつもりだったんだそうです。「お遍路で野宿もしたから何処ででも寝れるけど、さすがに野宿はもうきついし…」って。つまり住所不定は決定していたということ。な、なるほど…すげえな。

ラジオに飛び入り出演

梅田のスペイン料理屋で話してたら、放送の打ち合わせ時間。「あ、やばいもう時間ない!山田さん、デザート私の分も食べておいてください!またあとで!」先に店を飛び出して、阪急百貨店9Fにあるソラトニワスタジオへ。

パーソナリティは一本松海運の吉田さん。私達が枚方から乗船する三十石船を運航する会社に勤務されている方でいろんな水辺のイベントを手掛けられています。

「朝からカヤックに乗って、山田さんにも初めて会いましたよ~。もうすぐ観に来ます」と言うと、「えっ、その方が来るんですか?じゃぁ一緒に出ましょうよ!」と出演決定は放送15分前くらい。

「山田さん、デザートなんでしたか」「クレマカタナラでした」そんな報告を聞くか聞かないかでスタジオに引っ張り込み、ざっくりした流れを打ち合わせ、ON AIR!

吉田さんと私のトークの途中「旅の仲間を募集しています」から、「実は今日出会ったばかりの山田さんがここに…」と、唐突に山田先生の登場です。白浜で聞いてた友達もずっこけたみたい。私はめっちゃおもしろかった!

▲吉田さん、坂本、山田さん

 

しかもスタジオの外には時間を割いて観覧に来てくれた大阪の友達と、初めて会う升本さんの姿が。

升本さんはフェイスブックのスペイン巡礼のコミュニティで私を知り、道中2回の参加を計画している60代の女性です。「歩中(アルチュウ)だから 笑」と言うくらい歩く旅が大好きで、中辺路もポルトガルの道も歩かれて、今はお遍路を歩かれています。

放送のあとは淀屋橋まで歩いてお茶をして、つきない巡礼の話に花が咲きました。「初めて会った気がしないね!」と言ってくれ本当にずっと友達だったみたい。この3人で寝食をともにする日があるんですよ。すてきでしょ。

いつかのために、平成最後の熊野詣でを記録しよう

「熊野ログ」の「ログ」は記録することのイメージです。

山田さんが写真や動画をたくさんとろうと言ってくれました。今までの巡礼をもっと記録に残せばよかったという思いがあるそうです。「実はドローンも買ったけど小さいものだから動画は難しくて、でもGoproはあるよ」と。芭蕉と旅をした空良のようにと記録係を買って出てくれました。

▲枚方の五六市にて三十石船の名物「くらわんか汁」を食べ、鍵屋資料館で旅のPRもしてきたのだ

 

それはきっと、いつか誰かの役に立ちます。歌人 藤原定家が風邪をひいたりお腹壊したりしながら熊野詣でをし感涙にむせび泣いた熊野御幸の日記は、とても人間くさくて私は大好き。よくぞ残してくれたなって。

「伊勢講のように、誰かが毎年代表でこれをやれば面白いと思うんです」「田辺駅で友達が熊野古道に特化したゲストハウスをやりたいと計画しています」「語り部ガイドの後継が気がかりです」と私も色んなアイデアや課題を口にしました。「いいですね!僕やりますよ!」文化祭ではめっちゃ働くという山田先生は乗り気。さすが無職、住所不定。

大きな夢は「いいね、一緒にやろう!」と言ってくれる仲間の存在で膨らみます。

驚くほどの神がかった流れが私を動かしています。あちこちで応援しようという気持ちが音を立てて生まれ届きます。今朝はある行政からも盛り上げましょうと連絡をいただきました。

▲惜しげもなく情報と人脈をくださる伏見の若林さんとお会いした夜!なんでも知ってるし仕事が超早い!
▲知られざる羊羹と熊野のつながり?!伏見駿河屋で書きかけの紙芝居まで見せてくれた山本さん!

 

なぜか自分から巻き込まれてしまった皆さんは、きっと心の底から湧いた気持ちに動かされてだと思います。私と同じようにそれぞれのお役目があるんやろうと感じています。

だから「私のためにありがとう!」という気持ちじゃなくて、「一緒にやりましょう!」という仲間意識です。京都、大阪で山田さんや色んな方に会って、それを確認した気がしました。

私の役目はなにか、熊野古道を歩いて地域の魅力やすてきな人をつなげながら探してみます。

皆さん、私と山田さんに、会いに来てくださいね!