なんでカヤック?物語のはじまり
時を遡ること3ヵ月前、それは11月28日の雨の日でした。
「熊野川の川舟下りって、なんで大斎原からじゃないんですか?」と中辺路の会長安江さんと和の香コーヒーでモーニング食べながら聞いたのです。
山のプロに熊野古道の相談をしたら面白いヒントをもらったので、夕方は海のプロを突撃訪問してきました。
先生を呼びつけてモーニングご馳走になっちゃった。
末っ子の一人娘なんです。テヘ♡ pic.twitter.com/3tzd7jd8u8— 熊野ログ|熊野古道360km4/1スタート! (@kumanolog) 2018年11月28日
「かつては川幅も広くて水量もあったんだけど今は浅すぎるからね。まぁ出来てもカヤックだろうねぇ。」と何気なく言った言葉にピンときました。なにカヤック???
その日の午後、私が飛び込んだのは田辺湾。熊楠が昭和天皇に進講した『神島』が目の前に浮かぶ湖のように静かな内之浦です。
ここでシーカヤックのガイドツアーを提供しているアースメイトの大島さんをアポなしで訪ねました。何度かシーカヤックさせてもらって面識があったのです。
「大島さん!私、八軒家浜から歩くんです!熊野川はカヤックで無理ですか?」
突然の話にびっくりしながら、出来るかわからないけどやってみようかと言ってくれました。(この時は1人旅のつもりでした)
水量もあるし浅くてカヤック持って歩く場所もある、無理なら仕方ないけど、どこまで川の道がやれるかを知りたい。純粋にそんな気持ちです。
その時に大島さんがヒントをくれました。「大阪にある日本シティサップ協会の代表の方と知り合いなんだけど、確か淀川でも船が運行するイベントをしたと聞いたよ。」って。「えっ、淀川を?!」
山の先達から海の船頭へ、そしてあの淀川へ。こうして不思議なネットワークがつながりはじめました。
私の旅の計画は、そんな会話から生まれたものでした。
大動脈、淀川へ
そこから淀川のことをネットで検索して、一本松海運さんの三十石船の存在を知ります。メールをして12月7日に会社訪問(詳細はこちら)。感激してあーだこーだと葛藤し計画し手配し大騒ぎし…そして今に至りますが、先週2月26日に再び会社訪問する機会をいただきました。
社長の友人つながりで何と“淀川の歴史を調べ本を書いた方がいる”というので、会いたいと言ってみたのです。席を設けてくださり貴重なお話を伺うことに。
前日に大島さんが電話をくれて「じゃぁついでに八軒家のシティサップにも行こう!」と、一緒に大阪へ。
そしてご紹介いただいた社長のご友人。語り部さんのようなタイプか、学者タイプの方かな?と想像していたら‥「今日はヨットで来ようと思ったんやけどなぁ~」から始まり、冒険家の堀江謙一さんにヨットも銃も教えたとか、太地町でイカ200kg買ってクジラ釣り(!)したとか、それをなんでもないように話すのでスケールが大きくてひっくり返りそうでした。
見せてもらった本には、三十石船の歴史はもちろん、陸運業者の反対とか、土佐日記、長建寺や石清水八幡宮のことが書かれてあるようで、それはもう素晴らしいに違いないのです。「嘘は書かれへんから」と自分の足で歩いて調べたそうです。これは欲しい。
でも残念なことにもう在庫がないとのことでした。「ううーん!!!」やっぱりほしいなぁ、と自宅に帰ってもしやとネットで検索してみたのです。そうしたらなんと1冊だけ発見!!速購入です。
その後、クラウドファンディングの御礼品で熊野川の書籍も届きました。流れがきてますね~!
川のことばかり考えていたら、良き本が2冊手元に揃いました。
どちらも自身で調査された貴重なもの。
故きを温め新しきを知る、そんな旅路となりそうです。 pic.twitter.com/L4VtnFaYgP
— 熊野ログ|熊野古道360km4/1スタート! (@kumanolog) 2019年3月1日
この「淀川と物流」は国会図書館にあるそうです。ぜひ電子書籍化して皆が読めるようにしてほしいなぁと思いました(ホンキ)
歴史の街、伝える人々
何の力もない私の再訪に一本松社長は「またスペインに行ったら話聞かせてな」と楽しそうに言ってくれ、昼食までご馳走くださいました。
リーガロイヤルから見える大阪はまさに水の都、川の道!「あそこに日本最古の中華街があってな、そこから神戸に行ったんやで」「長崎のグラバー邸はあの辺にあったんや」と教えてくれました。
「大阪は歴史をみな潰してしまうんや。ヨーロッパなら残すのにな〜」と残念そうです。
御親類の船大工から引き受けたという10分の1サイズの遣唐使船の模型も見せてくれました。はるか昔に海から世界へ繋がったこと、その文明の凄さや浪漫をリアルに感じました。きっと命がけだったでしょう、そして神にも祈ったでしょう。
三十石船を42席予約したことは私が勝手に言いはじめたこと。お騒がしていますと言うつもりでしたが、気にもしていないようです笑
宣伝を要求するわけでもなく、懐が大きいというかお人柄にただ感謝。「目先の利益にとらわれたらあかん」と言ってました。
ちなみに一本松社長は元ワンゲル部で、大峯にも登られたことがあるそうです!
陸の起点は、天満橋の八軒家
さらに午後からは大島さんと天満橋へ。シティサップ協会の代表奥谷さんをご紹介いただきました。
人間的な魅力にあふれるオトコマエで、円形のサップにコタツを乗せて淀川で遊ぶという斬新で大阪らしいイベントは情報番組でも報道されてめっちゃ人気です。その開発秘話やカヤックやサップの業界話など、知らない世界とチャレンジする精神を垣間見ました。
https://www.instagram.com/p/Bt9b9TWj499/
まさか熊野古道を歩いていてこうなるとは想像もしていません。
もちろん今回はサップに乗る予定はありませんが、お知り合いができたというだけで、三十石船でこの湊に到着するのもちょっと楽しみ。
今年は桜が早そうだから川下りは最高じゃないかとも言ってました。シティサップの去年の桜の写真すごく良さそう!天気と花は読めないけどもしこうだったら素敵やなぁ🌸
・
・
・
そんな感じで旅する前に現地に行きまくるという変なスタイル。昨日は高野山、明日以降は和歌山市、紀北町、再び大阪、京都へ!
そして新しくバックパックとトレッキングシューズも新調したので、練習で歩いてみないといけません。次のイベントウォークで背負ってみようかなぁ、めっちゃ目立つけど。
どこかでお見かけしたらお声掛けくださいね。よろしくお願いします!